過去の税務コラム
過去にお届けした 横浜の税理士 有森純税理士事務所 の税務コラムです。(別年度への切り替え→アーカイブ)
2025年4月
賃上げ促進税制の改正のご注意ください
賃上げ促進税制の必須要件が改正される
賃上げ促進税制は、企業側で従業員の給与などを前年度よりも引き上げた時に控除が利用できる制度ですが、続きを読む
2024年度にはいくつか見直しがされて改正・改善されています。中でも、必須要件が変わっているので注意が必要です。まず、企業規模ではこれまでの全企業向けと中小企業向けの2つに加え、新たに中堅企業向けが追加されました。これに伴い、中小企業はこれまでと変わらずすべての枠が適用されますが、中堅企業が選べるのは新しい中堅企業向けのみとなります。グループ企業の場合は、中堅企業向けの税制では対象外になるケースもあるので注意が必要です。控除の対象になる従業員は、国内で雇用する継続雇用者のみで計算します。企業によっては、海外に子会社があるケースも多いかもしれませんが、国内のみとなっている点には注意が必要です。ほかにも、年度の途中で入社や退職、産休に入った人などは対象外となります。対象給与などと支給額の増加率に関しても変わるので、チェックしておきましょう。
上乗せ要件も変わるので注意
賃上げ促進税制の必須要件が改正されるだけでなく、上乗せ要件もいくつか改正されているので覚えておきましょう。教育訓練にかかる旅費や交通費、指導員への報酬、外部施設に関わる使用料などが当てはまります。このような費用の前事業年度より10%以上増で、さらに適用事業年度の教育訓練費の額が雇用者給与等支給額(適用事業年度の全雇用者に対する給与等支給額)の0.05%以上の場合は上乗せが可能です。ほかにも、子育てとの両立や女性が活躍できる環境整備を進める企業に対して税額控除率が5%上乗せ可能と追加されました。要件を満たすためには認定などが必要ですが、申請すれば控除されます。ここまで、賃上げ促進税制の改正や改善についてご紹介してきましたが、わからない点も多いかもしれません。詳しくは当事務所までお気軽にお問い合わせください。
2025年3月
複数人で相続・売却した不動産の課税方法には気を付けましょう
課税方法は1つではない
亡くなった方の相続を自身だけでなく兄弟や親戚などと複数で行うことも多いのではないでしょうか。続きを読む
特に、土地や家などまとまった財産になるものは、相続人で配分する話で進むケースも少なくありません。その場合、課税の方法は1つではないため注意が必要です。
換価分割と代償分割でやり方が異なる
複数人で相続や売却した不動産への課税の仕方には、換価分割と代償分割の2種類があります。分割を行う際に換価分割を利用した場合は、不動産を売ることで得るお金に対して相続税はかかりません。何かしらかかるイメージがあるかもしれませんが、元々相続税は相続が始まった時の相続財産の評価額に科せられるため、単純に換価分割して入ってきた売却代金とは別なためです。相続した不動産を売ったら評価額よりも高く売れ、譲渡所得が発生した場合には、所得税や住民税がかかります。代償分割の場合は、現金で代償金を払ったとしても、特に譲渡所得にかかる税金や贈与税に課税されることはありません。現金でない場合は注意が必要です。代わりに、自分たちの不動産を代償として渡している場合は、譲渡所得に関する税金が発生してしまう場合もあります。代償分割した場合の時価が不動産を取得した費用よりも高かった場合は、プラスになった差額を譲渡所得とし税金をかけられます。
共有者全員が確定申告しなければならない
不動産を共有した場合、誰か代表が1人確定申告すればOKではありません。共有者全員が各自の住所を管轄する税務署まで行って、手続きする必要があります。複数の不動産があり、そのうちの1つしか売却していない場合でも、所有者全員で確定申告をしなければなりません。複数人で相続や売却する不動産では、申告や税額負担などさまざまな注意点がございますので、お気軽に当事務所までお問合せください。
2025年2月
育児休業期間中の収入は課税される?
育児休業給付金について
出産した女性が産前産後休業に加えて育児休業を取得するケースは多いですが、最近は男性も育児休業を取得するケースが増えてきました。続きを読む
育児休業中は給与額の約67%にあたる育児休業給付金が得られるうえ、社会保険料は免除されるので、その分手取り額も増えます。収入面の心配をあまりせずに、育児に専念でき、子供の成長を身近で見られる楽しみが増えるのがメリットです。
育児休業給付金と課税について
気になるのが、育児休業給付金に課税されるのかです。子どもが増え、生活費も増えるので、少しでも手取りを増やしたいところですが、嬉しいことに育児休業給付金は非課税です。そのため、所得税はかからず、翌年度の住民税算定額にも含まれません。
住民税に注意
気を付けたいのが住民税です。住民税は前年度の所得に基づいて算定され、翌年以降に徴収されます。そのため、育児休業給付金の支払いに税金はかからないのですが、前年度分の住民税は徴取されます。ただし、自治体によっては住民税の徴収猶予制度が利用できるケースがあるので、住民税の支払いに負担を感じる方は確認してみましょう。
勤務先からの育児休業「手当」に注意
最近では、子育て支援策の一環として、育児休業手当といった名目で、上乗せ給付をする企業やこれまでの基本給と育児休業給付金の差額を支給する企業も増えています。育児休業中の収入が増えるのは嬉しいですが、勤務先から支給される手当は給与所得にあたるので、この分については所得税や住民税の対象になります。その年の所得税が源泉徴収されて支払われるので注意しましょう。せっかくの育児休業中ですから、おいしいものを食べることやおむつやトイレットペーパーなどの生活必需品がもらえるふるさと納税を利用して、税負担を減らすのも良いかもしれません。詳しくは当事務所までお問い合わせください。
2025年1月
税金は分割払いできるのか
国税は一括現金払いが原則
所得税などの国税については、納期までに現金で一括納付するのが原則です。もっとも、続きを読む
給与所得者の場合、所得税は年間の税額を概算したうえで毎月の給料やボーナスから分割して徴収され、年末調整で精算される仕組みです。では、事業所得者や年金所得者など、確定申告をしている方の場合はどうでしょうか。所得税をはじめ、国税に関しても猶予による分割納付が認められる場合があります。
猶予による分割納付
猶予を受けるには、一定の条件を満たすこと、必要書類を提出して所轄の税務署長の承認を受けなくてはなりません。一定の条件としては、以下のいずれかを満たす必要があります。財産が被災したり、盗難にあったりした場合、納税者や家族が病気にかかった、負傷した、事業を廃業した、休業した、事業について著しい損失を受けたなど、税金を一括納付することが困難となる事情を税務署長に認めてもらわなくてはなりません。なお、猶予を受ける税額が100万円を超える場合や猶予を受ける期間が3ヶ月を超える場合には担保の提供が求められる場合があります。猶予が認められた場合、猶予期間中の各月に分割して納付することになります。
相続税の分納
相続税は高額になるケースもあり、財産が不動産ばかりなど、納税できる現金が不足するケースも少なくありません。そのため、一定の条件を満たすことで延納が認められます。相続税額が10万円を超え、金銭で納付することを困難とする一定の事由がある場合に、納税者が申請をして税務署長の承認を得ることで、納付が困難な税額を限度に年払いでの分割払いが認められます。担保を提供すること、延納期間中は利子税の納付が必要となりますので注意しましょう。
滞納より分割
税務署も税金を払えず、滞納されるよりは分割でも払ってもらいたいのです。納付に困った時には、税務署に相談するか、当事務所までお問い合わせください。
アクセス
当事務所へは4駅から徒歩でお越しになることが可能です。
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